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災害対策に飛行艇は有用!? [航空機]

帰ってきた二式大艇IMG3.JPGこの地震が起きる前に、図書館で借りてきていた本が、この新明和の飛行艇の開発過程を綴った「帰ったきた二式大艇」。
以前にも書きましたが、自分が日本国内に有る飛行機で一番好きなのが、このUS-1救難飛行艇ですが、本を読み進めて行くと、その中に出て来たのが、76~79年に元々の対潜哨戒用のPS-1を改造して試験が行われた、消防飛行艇型の存在。
試験は最大8トンでしたが、実用化された場合には、一度に最大16トンの水を運べる仕様になるはずだったとか。

試験を見た消防関係者を驚かせたのは、放水速度毎秒3トン、一回の有効消火面積が30m幅で長さ180~200m、現場と海の距離が120km程度なら、20回放水を繰り返せる、その強大な消防能力だったとか。
結局、予算等の様々な理由が有ったのか、開発には至らなかった所に、95年に新明和の主力工場が有る神戸地区に大震災が起った時に、この消防飛行艇を知る付近の住民から「あの飛行艇が空から消火活動に当たってくれていれば・・・」との言葉が寄せられ、それらを受けて自治省で前向きの姿勢を示し始めたことに、時間の経過と共に熱が冷めることを懸念する文がありましたが、実際は危惧した通りになっていたようです・・・!?

US-1A.jpgそこで今回の「東北地方太平洋沖地震」ですが、津波後の宮城野区やコスモ石油の製油所、そして未だに予断を許さない原発の火災と、地上から接近する手段が断たれた場合には、打つ手が無いことを露呈・・・。
一度に15トンで何が出来ると言う考えもありますが、上記のような局所的な火災に対しては、もし消防型が存在して、10機も現地に派遣されていれば、違った結果になっていたかも?
今回の地震で改めて証明されたことは、スタンドアローンで動けないものは、緊急時には役に立たないということで、通信手段にしても、「ネットも電話ケーブル等が切断されたらアウトだし、一番当てになるのは自家発電機を備えた無線通信かも?」と、普段は冗談交じりに話していたのが、現実となりつつある現状からすると、海水の給水と放水を外部の人員の手を借りずに行えるこの手の機材の開発は、今後必要なのではと思いますが・・・!?
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ひまねね

こんにちはー、

昔買った航空ファン誌のトピックスに、小さくこのUS-1の試験風景が出ていたのを憶えてます。実は、同じ事を思っていました。

消防飛行艇、アメリカだかカナダの森林警備隊で使われている様ですが、日本で試験のみに終わったのは、取り込む水が海水になってしまうからなのでしょうかね~?
by ひまねね (2011-03-20 07:43) 

ZENON

飛行艇に限らず、海洋国家の日本では、水上機の活用は有りだと思うんですがね~?
昔のように水上機母艦を作って、零式三座水偵を満載して、被害確認や、積載量は少ないにしても、入江に着水しての物資補給とか、軍用には無理でも、災害対応には、活躍の余地は今でもある気がしますが?
後は米英軍から、垂直離着陸が可能なハリアーを調達して、ラックに物資入りのポッドを装備して、各避難所に向かわせるのも有効かも?
by ZENON (2011-03-20 22:09) 

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